３月１１日におこった東北大地震、１０００年に一度の巨大な津波、そして人類史上最?の福島原子力?電所事故、あれから４ヶ月が?過しようとしている。次第に私の心の中で大きくなってきたのは、３?１１は新しい８?１５であるという意識である。

かって日本?民は１９４５年８月１５日敗?と降伏を??した。たんに大東???に敗北しただけでない。１８９４年に??に宣?を布告して以?、１９０４年にロシアに宣?を布告して以?、つづけてきた５０年間の東北アジア??、東アジア??に敗れたのである。日本の死者は３００万人といわれ、日本の?牲になったアジアの死者は２０００万人と言われるが、どの??からの死者がここに含められているか、わからない。いずれにしても、日本の?土は?土と化し、?島と長崎は原子爆?の投下で?滅したことである。津波で?滅した東北の町の雰??はまさに原爆投下後の?島の町の雰??と同じであった。

８月１５日の放送で、天皇は?万世ノ?ニ太平ヲ開カムト欲ス?と述べた。９月４日帝?議?の開?にあたって出した勅語の中で、天皇は「平和?家ヲ確立シテ、人類ノ文化ニ寄?セムコトヲ願ヒ」、日夜心を?いていると述べた。それがどのような意?からなされた言葉であったにせよ、??はもういやだ、平和をのぞむ、軍隊は信用できないという?持ちであった?民は天皇の言葉をうけいれた。それから５ヶ月後、１９４６年１月元旦、日本中の?校で、子どもたちは書き初めをした。小?校２年生の私は「太平の春」と書いた。小?校６年生の皇太子、現在の天皇は「平和?家建設」と書いた。それが皆の願いだった。そして、そのとき『少年??部』１９４６年１月?の?頭に宮?賢治の詩「雨ニモマケズ　風ニモマケズ 雪ニモ夏ノ暑サニモマケズ」が?載された。「南ニ死ニサウナ人アレバ/行ッテ　コハガラナクデモイイトイヒ/北ニケンクワヤ　ソシヨウガアレバ/ツマラナイカラ/ヤメロトイヒ」とあり、「サウイウモノニ/ワタシハ/ナリタイ」と結ばれている。このたびの震災の中でも、東北の詩人のこの詩が日本の?外で?まれているのは偶然ではない。

敗?後日本は７年間米?軍隊に占領された。沖?はさらに２０年間長く占領されていた。その中で、天皇制?家は非軍事化され、民主化された。?民は、??と武力の行使、威?を?際紛?解決の手段として用いないとする日本?憲法をえた。?後日本のすべては８?１５より出?している。もちろん?わらないものもあった。一言でいうなら、軍人は去ったが、官僚と天皇はのこったのである。時とともに、?後の改革を不徹底とする者と行き過ぎとする者が?い、政?を?占した保守?が憲法改正して自衛軍をつくることを目標としたのに、非武?中立をもとめた万年野?が憲法の擁護を主張して、?い?いた。他方で、８?１５で日本の管轄からはずされた北方四島と竹島（?島）は日本の固有の領土だとして、返還をもとめるという主張が?論として維持された。

日本では２月１１日、?紀元節が建?記念日として、?家的祝日とされているが、ほとんど無視されており、?家的祝日とされてはいない８月１５日はもっとも重要な?民的儀式の日となっている。そのとき以?日本は??をやめたのであり、??をしていないので、そこにたえず立ち返って考えることが?後の日本人の思考方式を決めていたのである。　

?後日本のあり方を批判的にみる人?が立ち返ったのも８?１５であった。８?１５は日本人にとっては敗?、終?の日であるが、朝鮮人にとっては、植民地支配の終わりの日であった。日本人はそのことにながく?づかなかった。８?１５のあと、植民地支配を反省し、日本人と朝鮮人の新しい?係を開くという努力がなされなかったことが?後日本の反省の本質的な欠落、欠?をなしたのだ、という考えが１９６５年の日韓?約調印のあとに生まれた。日韓?約においても、日本の植民地支配反省はもりこまれず、８?１５の出?時の欠?はただされることはなかった。そういうことを全?として振り返り、侵略と?奪の?史を否定して、朝鮮半島の人?との新しい?係を創造していくときがきたという認識が１９７３年からはじまった韓?民主化運動への連?運動の中で生まれた。私は１９７４年、日本人は８月１５日に?えられた最初のチャンスをのがし、１９６５年にありえた第二のチャンスをのがしたが、いま日韓連?運動の中で第三のチャンスが?えられたという見解を表明した（『展望』１２月?）。そのような努力は１９８０年代に入って、朝鮮植民地支配反省謝罪の??決議を提案する動きとなった。そして１９８９年の昭和天皇の死は、朝鮮植民地支配の反省謝罪をもとめてきた知識人たちに??決議をもとめる行動の時がきたことを認識させた。天皇の死にさいして私たちの決意をしめす?明が出たのは８９年１月３１日のことである。『世界』４月?に徐京植氏が「第４の好機――昭和の終わりと朝鮮」なる文章を?表したが、第三のチャンスを生かす努力は??中であったのである。

８０年代の末には、日朝?係の正常化を求める知識人政治家のグル?プが植民地支配の反省謝罪ということで北朝鮮のドアをたたくという私たちのアイデアを採用するにいたった。１９９０年金丸田??氏は訪朝し、金丸自民?副?裁は植民地支配に?する反省を平?で表明することになり、金日成主席の日朝?交正常化交?開始の決?を引き出すことになった。他方で、８９年からはじまった朝鮮植民地支配反省謝罪の??決議を求める運動は、１９９５年の?後５０年??決議をめぐるはげしい攻防をよびおこし、６月９日の衆議院決議をうみ、最後に８月１５日の村山?理談話に?結したのである。

　私たちがもとめたのは、植民地支配が軍事力で朝鮮民族に?制されたことの確認、植民地支配が?えた苦痛に?する反省と謝罪、これにもとづく?外政策の是正の決意の表明であったが、村山談話は基本的な第二項を?現した。第三のチャンスを生かす努力は、この一点で成果を獲得したと考えることができる。

　反省謝罪がなされれば、被害者に?する補償措置が?施されなければならない。慰安婦被害者に?する補償の要求が１９９０年から高まっていたが、これに?して日本政府がとったのは、アジア女性基金の設置であった。これに?しては?い反撥と批判が起こった。他方で、日本??では右翼的な反動も?くおこった。その中で日本政府はアジア女性基金の事業を貫き、４カ?３６３人の被害者に謝罪と償いの事業を?施した。だが、?制動員??者に?しては、遺骨を返還するという以上の措置はついにとられなかった。

　そして、２０１０年８月１０日、韓??合１００年の菅?理談話において、?合の?制性を認める認識が示され、朝鮮王家の書籍の引き渡しが約束された。しかし、自民?政?にかわった民主?政?でも、北朝鮮との植民地支配の?算、?交正常化はなされなかった。８?１５の欠?を克服しようとする長期の?いの結果について私はこのように見ている。　

そして韓??合１００年がすぎて、新しい年に３?１１がおこった。日本人はあらためて破局の底で、復興と新生を求める時に際?したである。８?１５が人間の社?の中で自分たちが引き起こした??をやめて、これからは平和に生きるという時であったのに、このたびは、自然の力にたたきつぶされ、自らの愚かさで災?を倍?した者がその苦しみの底から立ち上がって、自然とのあらたな共生の形をもとめる時なのである。あえて言えば、８?１５はいまや過去の?史となった。日本の?史の中で「?後」は終わったのである。

３?１１を新たな出?点として、日本のこれからを構想するとき、地震と津波の列島日本として、?原?、節電と自然エネルギ?による?電を中心にするエネルギ??システム、それに適合的な新しい産業社?、資本主義のかたちを中心にして考えなければならないだろう。それとともに、隣?との助け合いから進んで、近隣諸?との地域大の討論を通じる新しい??と社?のひろがりを求める地域主義が追求されなければならないと考える。東北アジア共同の家、あるいは東アジア共同?である。

そのためには、すべての隣人と正常なつきあいもち、もめごと、?いごとはすみやかに解決しなければならないのである。それが３?１１以後の日本の外交方針であるべきだ。そのためには世界中の?と?交をもっているのに、隣?朝鮮民主主義人民共和?とだけ?交がないという異常なあり方をただちに改める必要がある。さらに三つの隣?ロシア、韓?、中?と領土問題をかかえているというこれまた異常な?態をすみやかに解決しなければならない。過去６５年間解決できず、これから何年待っても?たされることがない要求をくりかえしている余裕はない。現在合意できる線をみつけて、決?することが必要である。とすれば現在??的に支配している側の?利を基本的に認めて、互?、共同受益の線で解決しなければならない。北方四島については、二島引き渡しの約束を前提に?捉、?後のロシア領有をみとめるべきだし、?島＝竹島については、韓?の領有?をみとめるべきである。これは８?１５で生まれた問題のすみやかな解決をはかるということでもある。

では、８?１５以後解決されずにのこっている?史認識上の問題、被害者補償に?する問題はどのように考えるべきか。８?１５が過去となったということは、それらの問題についてもはや考えることは必要ないということではなく、また新しい協力のために、過去の怨みを忘れるように一方的に求めるわけではない。私はハンギョレ新聞３月２３日?に求められて寄稿したさい、「罪ある者は罪を悔い、怨みある者は怨みをのりこえて、和解し、協力して、新しい共同の家をもとめ、地球、自然との共生へ向かうことを期待する」と書いた。私の言わんとするところは、３?１１以後の世界によりよく生きるためにこそ、８?１５に起因する未解決の問題について、このさい思い切って積極的な措置を講じることが必要であるということである。そのようにしてこそ、隣?の人?の信?をまし、協力?制をつくることができるだろう。もちろんそのためには、何がなしとげられ、何がなされなかったのか、８?１５以後６５年の?過の??な、建設的な再??が必要となる。